『 bonbonが好き』から始まった旅
最終章 染まる想い ー bonbon color ー
その後、完成したエプロンを染色する場に立ち合わせていただきました。
数ヶ月ぶりに会った香織さんや市吉さん、みちおさん。
皆さん声を揃えて
「むちゃくちゃかっこいいエプロンできましたね!」
「エプロン品評会なるものがあれば出品してみたい」
作り手の方たちからの嬉しい声をたくさん聞けて、終始ニヤニヤが止まらなかった。
真新しい無染色のエプロンをエスプレッソの出涸らしが入ったお鍋に入れる時、少しドキドキした。
ぐるぐる、ぐるぐる。
前回とは少し違う気持ちで混ぜた。
大丈夫かな?ちゃんと色づいてくれるかな?
その間にアトリエに来られた、初めましての
ミノルさん。
前章で登場した『natural dyeing project 』のメンバーのお一人です。
高知でカフェをしながら縫製やプリントのお仕事もされている、とても多彩な方です。
今回はエプロンの品質表示などのシルクスクリーンプリントに携わってもらいました。
「まず全部で何色つくりましょうか?」
ミノルさんの表情が一気に職人になった瞬間。
そんなに色を選べるなんて思ってもいなかったので、わくわくした。
香織さんのアトリエにあるたくさんのカラフルな色を参考にさせてもらい、事前に染色テストをした布に様々な色をあてて決めていきました。
「あの子はピンクが似合うよね!」
「オレンジぽい赤はどうかな?」
bonbonのスタッフの子たちの色をイメージしながら考える時間はとても楽しかった。
数の最終確認の時、『natural dyeing project 』の方たちとみちおさんが書面を見ながら話し合っている。
その姿、光景がとってもかっこよかった。
プロフェッショナルな方たちのかっこよさ。
みんな違う分野だけど、自分の得意を生かしてここに集まって輝いている。
「bonbonみたい」、ふとそう思った。
パンを焼く子。お菓子を焼く子。
みんなそれぞれの得意と好きを持ち寄って
響き合うbonbon。
そして、みんな「bonbonが好き」で集まっている。
素敵な集合体。
2時間以上お鍋でぐるぐる混ぜているけれど、なかなか色が入らない。
「生地がだいぶしっかりしているから、時間がかかるね。
一晩かけて色を入れた方がいいかな。」
「完成が楽しみだね。」
香織さんが優しく微笑んでくれた。
一ヶ月後、bonbonに荷物が届いた。
ドキドキしながら箱を開けた。
やっと会えたね。
一枚一枚表情が違う。みんなかっこよくてかわいい。
私たちの想いがたくさん詰まったエプロン。
たくさんの作り手の方たちがバトンを繋いでくれて完成したエプロン。
目に涙が滲んだ。
企画スタートから完成まで1年ちょっと。
たくさんの作り手さん達と出会い、想いを伝え合い、カタチになり、唯一無二のエプロンができました。
「日々の暮らしの中に、ふと心ときめく瞬間を」
このエプロンが、あなたの日常にささやかな喜びや心地よさ、自分と向き合う時間を豊かにしてくれることを願いながら。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
あなたの日々がより穏やかに
そして豊かに彩りますように。
これからも、bonbonらしい物語を
紡いでいきたいと思います。
完