『bonbonが好き』から始まった旅
第二章|想いと出逢い
「モノを選ぶことは、自分を選ぶこと」
「身につける一枚が、日々の自分を育てていく」
私たちbonbon企画室が、このエプロン企画で一番大切にしたかったこと。
それは、
「作り手の顔が見えること」
そして
「作る過程から手放すまで、環境にできるだけ負担をかけないこと」でした。
けれど、それは“モノを作るための条件”ではなく、
もっと根っこにある私たちの想いがあります。
モノを選ぶこと=『自分の在り方を選ぶこと』
たとえば、何気なく手に取ったものが、
「自分はこうありたい」と思う価値観や暮らし方につながっていることもある。
身につけるものが、自分らしさを引き出してくれたり、
誰かの想いや手仕事を感じることで、気持ちが整ったりすることもある。
そんな風に、このエプロンが“自分の選択”を感じられる存在になれたら。
それが、このプロジェクトのいちばんの出発点でした。

どんな素材を選び、
誰の手によって、
どんな想いで作られていくのか。
「買う」という行為は、単なる消費ではなく
「応援」でもある。
日々の暮らしの中で、たとえ小さな選択でも、
その選択が、どこかの誰かの営みや未来に、
そっと力を添えるものになる。
“生産の背景”
“この先ずっと大切にしたいもの”
“応援したい人、会社”
選ぶ前に一度立ち止まって考えてほしい。
このエプロンが、そんなふうに“モノを選ぶ視点”に出会うきっかけになれたら。
それが、私たちbonbon企画室の願いのひとつです。
「私たちの想いをカタチにしてくれる作り手さんをさがそう」
とはいえ、「想いをかたちにする」というのは、思っていたよりずっと難しいことでした。
どんなに情熱があっても、私たちだけでは叶えられないことばかりで、エプロンづくりは、どこか“見えない山”を登っているような感覚もありました。
素敵な作り手さんは世の中にたくさんいるけれど、
「この人と一緒に作りたい」と思える相手にどうやって出会えるのか、その手がかりが見つからなかったのです。
そんなときに、wakoさんから届いたひとことが、すべての扉を開いてくれました。
「素敵な方と出会ったよ!今度bonbonに来てくれるって」
その“素敵な方”というのが、徳島で活動されているデザイナー、
横山道雄さん(みちおさん)。
大阪で開かれたマーケットイベントでbonbonとして出店したときのこと。
お隣のブースで販売されていた蜂蜜のパッケージが、目を引くほど素敵で。
そのラベルや佇まいに惹かれて話しかけたところ、
「僕がデザインしています」と、やさしく微笑まれたのがみちおさんでした。
その出会いをきっかけに、bonbonの周年イベントやロゴ、Tシャツのデザインをお願いするようになり、
みちおさんは、わたしたちの空気や価値観にそっと寄り添いながら関わってくれる存在になっていきました。
「手仕事を大切にしたエプロンを作りたいんです」
「草木染めもやってみたいんです」
bonbon企画室が、エプロンづくりへの想いを話すと、
みちおさんはすぐに、温かくこう応えてくれました。
「それなら僕の仲間でモノづくりをしている方たちがいます」
「一度ご案内しますね」
その一言が、私たちの背中をやさしく押してくれたのです。
作り手と、想いを交わしながらモノをつくる。
簡単なようで、実はとても手間のかかる道かもしれません。
でも、bonbonが届けたいのは、
価格や機能だけでは測れない、“目に見えない価値”でもあるのです。
それはたとえば、
身につけることで気持ちが整ったり、
「今日もがんばろう」と背中を押されたり、
背筋が伸びて、仕事がちょっと楽しくなるような、
そんなちいさな変化を含んだ価値。
そしてそれは、
bonbonだからこそ企画できた「私たちらしい選択肢」でもあります。
次の章では
エプロンが少しずつカタチになっていく過程について、綴っていきます。
企画室の私たち自身が心を動かされた瞬間を、
一緒にたどっていただけたら嬉しいです。
第三章 循環する想い 〜WHYからHOWへ〜 へつづく。